ぼくはなぜ生きている
ここにいるのは本当のぼくなのか
本当にぼくはこんなことを
考えているのか
うそかも知れない
うそだ
文字になったその人の考えは
もう死骸だ
ぼくはこんなことを書くつもりじゃあない
ぼくは
もっと別のことを書くつもりだったんだ
ちゃんと、ぼくの考えていることが書けたらなあ
いや
こんなことを書くつもりじゃあないんだ
こんなことを考えなくなってから
これを読むとばからしいだろうに
なぜぼくはこんなことを書くんだ
ここに記した一群の記号は
本当にぼくの書こうとしたことを印してあるのか
なぜ
「ぼくはなぜ生きている」という書き出しで書き出したぼくが
こんなことを書いているんだ
*
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1965年1学期の詩集より。原文のまま